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わたしはげぼく 

 

もう一度下僕になってもいいなぁ
そう考えた数日後
朝刊広告で目に留まったのは
「わたしのげぼく」という
猫を主人公にした絵本

なんというシンパシー!
シンクロを感じて
昼休みは本屋に走った

物語は飼い主を「げぼく」と呼ぶ猫が
最初から終わりまで上から目線で
ちいさな男の子から
少年に成長する時間を共に過ごし
飼い主の元を旅立つ瞬間も
旅立った後も上から目線で語られる

そんな偉そうな猫が実は
げぼくと呼ぶ飼い主を深く想う物語

本を手に取ったときは
ぜったいに号泣するので
目が腫れるのを避けるため
読むのは休み前にしようと決めた

週末に思い切り泣いて
涙活ですっきりデトックス
そう心に決めていたはずが
心に決めていたのに
本日の予定がキャンセルになり
暇を持て余したので読んでみたら
これがまったく泣けなかった!

わたしが猫と
暮らした事が無いから
猫の魅力を知らないから???
・・・・だと思う

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自分の世話をしてくれる人間の事を
「自分は神だから」と猫は思い
対照的に犬は「人間を神」と思う
そういう話を思い出した

わたしはやっぱり犬派
そしてその本を手にしたその日
あまつさえ下僕になってもいいと
一惚れしたそのわんこと
お友達になる事が出来た!!

いっぱい撫でさせてくれて
いっぱいお腹を見せてくれた
そうしたらそのわんこにわたしが
どうして一目惚れしたのかがわかった
死んだ愛犬にとてもよく似ているのだ

茶色い瞳
媚びのない目つき
飄々とした風格
むちむちとした肉感
短い尻尾に枯れ草色の短毛



耳に足を掛けて痒がれば
「ここ??ここですか??」
「背中は凝っていませんか?」
「首は痛くないですか??」
頼まれてもいないのに
自ら下僕ぶりを発揮ww

わんこの名前は「ハリー」!
ハリー君に一瞬でメロメロ
ハリー君がうちの子になってくれるならば
わたしは喜んで下僕になるだろう


だけどがるもハリー君も
わたしを「下僕」とは呼ばない

自らが下僕扱いをしなくとも
喜んで下僕になり下がるのは
わたし自身と知っているから



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背中を向けてお尻だけひっつき虫
投げ出す足も
体高も毛色もそっくり!

ねぇがる?まるでキミの
生まれ変わりのようだよ!
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モフモフのかたまりに会いたいなー 

 

読売新聞の人生相談コーナーには
全国の老若男女から様々な悩みが寄せられる
その小さなスペースには
寄せられた相談の数だけ人生がある

その日わたしが目を留めた相談は
病身の娘のために娘の強い希望で犬を飼ったが
その娘が回復をした現在ちっとも犬の世話をせず
仕方なく母親である自分が世話をしているが
どうして自分ばかりがという気持ちで悩ましいという
日本中に溢れるよくあるオハナシだった
母親は元々犬は苦手で
犬は臭くてうるさくて手に負えないという
娘に文句を言っても埒が明かず
仕方なしに世話をしている

一度飼ったからには終生飼育は
義務なのは理解している
だけどどうして自分だけがという
行き場のない思い

こんな気持ちと今後どう
折り合いをつければよいのでしょうという

なんとも律儀で真面目な人
犬の扱い方を知らないだけなんだな
こういう人がひとたび犬に嵌ると
犬ととてもいい関係を築けるだろう

回答者はなんともいい難そうな
煮え切らない前置きを置いて
今でこそ犬を舐めるように可愛がる風潮だけど
一昔前だと最低限の世話をするだけで
犬は飼い主に懐くものだと説き
もっと気楽に世話をされてはいかがでしょうか
要約するとそういう内容だった

はははー
なんだか数日前に
自分が考えていた事とぴったりリンクした

たまに見かける
めちゃめちゃ可愛い犬が近所にいて
久しぶりにその犬を見かけたとき
ああやっぱり可愛いなぁ
ああいう犬ともう一回暮らしたい
あんなに可愛い犬ならば
もう一度下僕になってもいいと思った

でもすぐに
いやいやいや
だめだめだめ

ブレーキをかけた
その直後の
お悩み相談室だった

少なくとも自分は
犬を飼うと犬中心の暮らしになる

わたしにとって
犬は司令塔
司令官は犬

犬「そろそろ散歩の時間です」
犬「そろそろお腹空きました」
犬「おやつください」

ボールをくわえてきては
犬「ねぇ遊ぼうよ!!」
犬「ボール投げてよ!!」
犬「もう一回!!」
犬「もっともっと!」

機嫌が悪ければ唸られキレられ
噛まれて喧嘩

犬とか人とか
カテゴリーを越えて
いつの間にか関係は対等になっていく

自分は子供を産んだ事も
育てた事もないけど
子供がいたらやっぱり子供が中心で
愛情と手間暇をいっぱいかけて
いっぱい愛して鬱陶しいほど
愛を注いでいたであろう

うちの犬はそんなわたしに
”擬似子育て”を
体験させてくれたと思っている

秋風が吹き始め
温かいものが恋しくなるこの季節

愛おしく思い返すのは
あのモフモフのかたまり

あのぬくもりをもう一度
腕の中で抱きしめて
ふわふわの被毛に
鼻をうずめて深呼吸したい
スーハースーハー
あ~いいにおい

会いたいよがるちゃん
元気ですか

秋ですね....

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